まれな Brevibacterium otitidis を耳漏から検出した3例

Brevibacterium otitidis は, 珍しいグラム陽性桿菌で, 本感染症の報告は国内外ともに非常に少なく, 臨床的意義は未解明の部分が多い. 今回, われわれは, 85歳の急性中耳炎疑い例と, 75歳の慢性中耳炎と, 69歳の好酸球性中耳炎の3例の耳漏から B. otitidis を検出した. グラム染色所見が重要で, スリムでやや弯曲した「へなへな」した形態が特徴的である. 各種微生物同定装置のデータベースに収載されていないため, 同定が困難で, 16S rRNA 遺伝子解析で同定可能である. 認知度が低いため, 正しく菌種を同定することが重要であり, 症例の蓄積が望まれる....

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 125; no. 8; pp. 1288 - 1292
Main Authors 村井, 尚子, 内田, 真哉, 河合, 示枝古, 竹村, 優佳子, 村上, 怜, 齋藤, 敦志, 出島, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.08.2022
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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Summary:Brevibacterium otitidis は, 珍しいグラム陽性桿菌で, 本感染症の報告は国内外ともに非常に少なく, 臨床的意義は未解明の部分が多い. 今回, われわれは, 85歳の急性中耳炎疑い例と, 75歳の慢性中耳炎と, 69歳の好酸球性中耳炎の3例の耳漏から B. otitidis を検出した. グラム染色所見が重要で, スリムでやや弯曲した「へなへな」した形態が特徴的である. 各種微生物同定装置のデータベースに収載されていないため, 同定が困難で, 16S rRNA 遺伝子解析で同定可能である. 認知度が低いため, 正しく菌種を同定することが重要であり, 症例の蓄積が望まれる.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.125.8_1288