脳血管障害患者の理学療法効果の検証をどうするか
1. はじめに 吉尾:理学療法効果を検証するに当たって, 中枢神経障害領域は特に困難を極めている. 現状分析と記録, 理学療法手段の選択理由と経過の記録, 到達予測に関わる判断と記録, 検証のための変数と定期的検査と記録, 記録に基づく検証など, 理学療法効果を検討するための資料を取り上げることはできる. しかし, 現実的にはそれらの資料を提示すること自体が困難な課題になっており, 効果検討以前に取り組まなければならない課題が山積している領域である. 国際障害分類のICFへの変更や平成14年度の診療報酬改定などをみると, 世界や我が国が理学療法に何を期待しているかが理解できる. 根拠に基づく理...
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Published in | 理学療法学 Vol. 29; no. 8; pp. 351 - 353 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.12.2002
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00001019676 |
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Summary: | 1. はじめに 吉尾:理学療法効果を検証するに当たって, 中枢神経障害領域は特に困難を極めている. 現状分析と記録, 理学療法手段の選択理由と経過の記録, 到達予測に関わる判断と記録, 検証のための変数と定期的検査と記録, 記録に基づく検証など, 理学療法効果を検討するための資料を取り上げることはできる. しかし, 現実的にはそれらの資料を提示すること自体が困難な課題になっており, 効果検討以前に取り組まなければならない課題が山積している領域である. 国際障害分類のICFへの変更や平成14年度の診療報酬改定などをみると, 世界や我が国が理学療法に何を期待しているかが理解できる. 根拠に基づく理学療法を行うために, 臨床, 教育, 研究のそれぞれの立場が担うべき努力目標を示しつつ, 理学療法効果を探るための方向性を求めてみたい. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00001019676 |