Bevacizumab併用mFOLFOX6療法が奏効した上行結腸内分泌細胞癌の1例
症例は70歳代,男性.腹痛,腹部膨満を主訴に精査が行われた.大腸内視鏡検査で上行結腸に腫瘍を認め,生検で混合型小細胞癌が疑われた.遠隔転移を認めたが,腸閉塞の発症が危惧されたため,右半結腸切除術を施行した.摘出標本の病理組織診断でChromograninA,Synaptophysinに陽性を示し,上行結腸原発の内分泌細胞癌と診断された.最終病期診断はStageⅣ(SiN3M1)であった.術後1ヵ月のCTで多発リンパ節転移,肝転移,腰椎転移を認め,Bevacizumab併用mFOLFOX6療法を開始した.4クール施行後のCTで転移巣の著明な縮小を認め,以後も化学療法を継続し,無増悪で生存中である...
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Published in | 山口医学 Vol. 61; no. 4; pp. 151 - 155 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
01.11.2012
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Subjects | |
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ISSN | 0513-1731 1880-4462 |
DOI | 10.2342/ymj.61.151 |
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Summary: | 症例は70歳代,男性.腹痛,腹部膨満を主訴に精査が行われた.大腸内視鏡検査で上行結腸に腫瘍を認め,生検で混合型小細胞癌が疑われた.遠隔転移を認めたが,腸閉塞の発症が危惧されたため,右半結腸切除術を施行した.摘出標本の病理組織診断でChromograninA,Synaptophysinに陽性を示し,上行結腸原発の内分泌細胞癌と診断された.最終病期診断はStageⅣ(SiN3M1)であった.術後1ヵ月のCTで多発リンパ節転移,肝転移,腰椎転移を認め,Bevacizumab併用mFOLFOX6療法を開始した.4クール施行後のCTで転移巣の著明な縮小を認め,以後も化学療法を継続し,無増悪で生存中である.大腸内分泌細胞癌は稀であり,有効な化学療法が確立されておらず,分子標的薬を用いた化学療法の報告も少ない.大腸内分泌細胞癌と化学療法について,文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0513-1731 1880-4462 |
DOI: | 10.2342/ymj.61.151 |