大腿骨頸部骨折者の術後理学療法プログラム短期化を試みた過去5年間の推移

大腿骨頸部骨折者の術後理学療法プログラムとして我々は,1996年までは8週間の長期プログラムを基準に行っていたが,1998年からは4週間の短期プログラムを基準にしている。今回,このプログラムの短期化が妥当であったかを検証することを目的として,大腿骨頸部骨折者の術後理学療法について調査した。対象は1995年4月からの5年間で術後理学療法を施行した全症例とし,調査項目は1995年以降の5年間における理学療法の各ステップの所要日数,受傷前と理学療法終了時の移動能力,骨折部の術後合併症発生数とした。その結果,端坐位や杖歩行などの各練習開始までの経過日数は1997年以降短縮しており,プログラムの短期化に...

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Published in理学療法学 Vol. 28; no. 6; pp. 257 - 261
Main Authors 土田, 典子, 阿部, 勉, 藤田, 博暁, 太田, 隆, 石橋, 英明, 山本, 精三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.10.2001
日本理学療法士協会
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Summary:大腿骨頸部骨折者の術後理学療法プログラムとして我々は,1996年までは8週間の長期プログラムを基準に行っていたが,1998年からは4週間の短期プログラムを基準にしている。今回,このプログラムの短期化が妥当であったかを検証することを目的として,大腿骨頸部骨折者の術後理学療法について調査した。対象は1995年4月からの5年間で術後理学療法を施行した全症例とし,調査項目は1995年以降の5年間における理学療法の各ステップの所要日数,受傷前と理学療法終了時の移動能力,骨折部の術後合併症発生数とした。その結果,端坐位や杖歩行などの各練習開始までの経過日数は1997年以降短縮しており,プログラムの短期化により早期離床,早期歩行練習を開始できたことが明らかとなった。一方,プログラムの短期化に拘わらず,理学療法終了時の移動能力は5年間で差異がなく,骨折部の術後合併症の増加もみられなかった。結論として,我々の短期プログラムへの移行は有効かつ安全であることが理解できた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003131785