ボバース概念における検証作業
「はじめに」1970年にロンドンボバースセンターにおいて, 認定基礎講習会を受講してから37年過ぎようとしている. 最初の動機は, 脳性まひ児の症状が, 少しでも改善し得る理学療法手段を, 身につけたかったからである. 医師らとともに, 外国文献中心の勉強を繰り返すうちに, ボバースの名前を知った. ロンドンで講習会を受講して, 判ったのは, 文献に表記されているのは, ある時点の, しかも部分的なボバース概念の解説に過ぎず, 到底全容を表記されているものではないということであった. 私は, 当学会においても, 教育講演, シンポジウム, セミナーなどにおいて, ボバース概念を幾度か語った....
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Published in | 理学療法学 Vol. 34; no. 8; pp. 345 - 348 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.12.2007
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00004805105 |
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Summary: | 「はじめに」1970年にロンドンボバースセンターにおいて, 認定基礎講習会を受講してから37年過ぎようとしている. 最初の動機は, 脳性まひ児の症状が, 少しでも改善し得る理学療法手段を, 身につけたかったからである. 医師らとともに, 外国文献中心の勉強を繰り返すうちに, ボバースの名前を知った. ロンドンで講習会を受講して, 判ったのは, 文献に表記されているのは, ある時点の, しかも部分的なボバース概念の解説に過ぎず, 到底全容を表記されているものではないということであった. 私は, 当学会においても, 教育講演, シンポジウム, セミナーなどにおいて, ボバース概念を幾度か語った. やがて, 外部から, アウトカムデータ提示を求められる事も増えてきた. 我々は, 技術的向上とともに, 実践結果検証にも努めた. 「脳性まひ治療の検証」我々を, 悩ませたのは, 脳性まひ治療の検証モデルが存在していなかったことである. さらに, 非ボバース治療または非治療の母集団設定は, 倫理的に許されない社会的状況であった. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00004805105 |