胃癌手術における術後翌日の起立性低血圧が術後経過に及ぼす影響
【目的】本研究では胃癌に対し待機的胃切除術を施行した症例において術後1日目離床時における起立性低血圧(orthostatic hypotension;以下,OH)が離床経過,合併症,入院期間に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】2004年4月〜2011年8月までに胃癌で待機的手術を施行し,理学療法を実施した211例を対象とし,術後翌日のOHの有無による2群間において入院経過を比較した。【結果】離床開始日に関しては,端座位,起立,歩行開始日ともOHP(OH positive)群が有意に遅延していた(p<0.001)。術後合併症に関しては,譫妄および呼吸器合併症の発症率に差を認...
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Published in | 理学療法学 Vol. 42; no. 1; pp. 8 - 16 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.02.2015
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00009814223 |
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Summary: | 【目的】本研究では胃癌に対し待機的胃切除術を施行した症例において術後1日目離床時における起立性低血圧(orthostatic hypotension;以下,OH)が離床経過,合併症,入院期間に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】2004年4月〜2011年8月までに胃癌で待機的手術を施行し,理学療法を実施した211例を対象とし,術後翌日のOHの有無による2群間において入院経過を比較した。【結果】離床開始日に関しては,端座位,起立,歩行開始日ともOHP(OH positive)群が有意に遅延していた(p<0.001)。術後合併症に関しては,譫妄および呼吸器合併症の発症率に差を認めなかった。術後在院日数はOHP群25.8日,OHN(OH negative)群23.3日であり差を認めなかった。【結論】胃癌術後1日目におけるOHは離床遅延の要因となるが術後合併症,在院日数には差を認めなかった。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00009814223 |