開頭クリッピング術の手術シミュレーションとしての3次元脳血管撮影

「はじめに」 脳血管疾患の外科治療において, 診断モダリティの進歩によってCTで動脈, 静脈, 骨の情報が得られるようになっており, 術前のCTのみで外科治療を行うことが多くなっている. 一方, 標準的検査であった脳血管撮影は, 脳血管内治療における診断と治療に貢献しており, 高精細な画像が取得できるようになった. 脳血管撮影の利点としては高い空間分解能, 動静脈の詳細な血管構造, 穿通枝などの微小血管の描出, 骨や塞栓物質との関係の描出が挙げられる. このように, 脳血管撮影は詳細な血管情報が得られるが, 脳血管疾患に対する手術シミュレーションに関する報告は少ない. 当院では脳血管疾患に対し...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 50; no. 3; pp. 185 - 192
Main Authors 丸島, 愛樹, 南本, 新也, 日野, 天佑, 伊藤, 嘉朗, 松村, 明, 佐藤, 允之, 早川, 幹人, 石川, 栄一, 松丸, 祐司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2022
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.50.185

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Summary:「はじめに」 脳血管疾患の外科治療において, 診断モダリティの進歩によってCTで動脈, 静脈, 骨の情報が得られるようになっており, 術前のCTのみで外科治療を行うことが多くなっている. 一方, 標準的検査であった脳血管撮影は, 脳血管内治療における診断と治療に貢献しており, 高精細な画像が取得できるようになった. 脳血管撮影の利点としては高い空間分解能, 動静脈の詳細な血管構造, 穿通枝などの微小血管の描出, 骨や塞栓物質との関係の描出が挙げられる. このように, 脳血管撮影は詳細な血管情報が得られるが, 脳血管疾患に対する手術シミュレーションに関する報告は少ない. 当院では脳血管疾患に対して積極的に脳血管撮影を施行しており, 脳血管撮影の情報から外科治療に有効な画像をワークステーションで作成して, 手術シミュレーションを行っている. 今回は開頭クリッピング術の手術シミュレーションとしての3次元脳血管撮影について報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.50.185