消化器がん患者の手術前サルコペニア要因の有無が手術後経過に及ぼす影響 -手術後合併症の発症率,運動機能変化,生活の質に着目して

【目的】消化器がん患者の手術前サルコペニア要因の有無が手術後合併症の発症率や周術期から自宅復帰後の運動機能変化と生活の質(以下,QOL)に影響するか検討すること。【方法】対象は,周術期消化器がん患者97例(男性54例,女性43例,年齢62.5±12.1歳)とした。サルコペニア要因の有無は,筋肉量を腹部CT画像の骨格筋断面積,筋力を等尺性膝伸展筋力,身体能力を6分間歩行距離より評価し,3群に分類した。対象者各群で手術後合併症の発症率,手術前から退院後の運動機能変化とQOLを比較した。【結果】サルコペニア要因を含む群では,他の群と比較して手術後合併症の発症率が有意に高く,QOLも有意に低かった。運...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 5; pp. 416 - 427
Main Authors 原, 毅, 久保, 晃, 草野, 修輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.08.2015
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】消化器がん患者の手術前サルコペニア要因の有無が手術後合併症の発症率や周術期から自宅復帰後の運動機能変化と生活の質(以下,QOL)に影響するか検討すること。【方法】対象は,周術期消化器がん患者97例(男性54例,女性43例,年齢62.5±12.1歳)とした。サルコペニア要因の有無は,筋肉量を腹部CT画像の骨格筋断面積,筋力を等尺性膝伸展筋力,身体能力を6分間歩行距離より評価し,3群に分類した。対象者各群で手術後合併症の発症率,手術前から退院後の運動機能変化とQOLを比較した。【結果】サルコペニア要因を含む群では,他の群と比較して手術後合併症の発症率が有意に高く,QOLも有意に低かった。運動機能変化では,手術前後で他の群より低下する傾向にあった。【結論】消化器がん患者のサルコペニア要因は,手術後合併症の発症率や周術期の運動機能変化およびQOLに影響することが明らかとなった。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00010032610