心電図のみかた
「はじめに」 2011年8月サッカーの元日本代表の松田直樹さんが練習中胸を押さえて倒れ, そのまま意識も戻らず34歳で亡くなった. 死因は急性心筋梗塞だった. 急性心筋梗塞発症時の多くは, 心室細動の不整脈が出現しており, 心室細動に対して除細動器を1分以内に行えれば救命率は90%, 2分以内で80%, 3分以内で70%と1分ごとに救命率は10%ずつ低下していくといわれている. 松田直樹さんの場合も除細動器を早急に使用していれば救命できたかもしれない. 心室細動は滅多に起こることはないが, 緊急に治療を要する不整脈であることは知っておく必要がある. オランダの後ろ向きコホート研究では, 人工関...
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Published in | 理学療法学 Vol. 40; no. 4; pp. 314 - 317 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.06.2013
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00008722980 |
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Summary: | 「はじめに」 2011年8月サッカーの元日本代表の松田直樹さんが練習中胸を押さえて倒れ, そのまま意識も戻らず34歳で亡くなった. 死因は急性心筋梗塞だった. 急性心筋梗塞発症時の多くは, 心室細動の不整脈が出現しており, 心室細動に対して除細動器を1分以内に行えれば救命率は90%, 2分以内で80%, 3分以内で70%と1分ごとに救命率は10%ずつ低下していくといわれている. 松田直樹さんの場合も除細動器を早急に使用していれば救命できたかもしれない. 心室細動は滅多に起こることはないが, 緊急に治療を要する不整脈であることは知っておく必要がある. オランダの後ろ向きコホート研究では, 人工関節置換術後2週間は心筋梗塞リスクが25~31倍と報告されている1). このことから, 運動器疾患の理学療法を施行する際にも, 心電図判読は必要になる. また, 通常, 不整脈である心房細動を洞調律に戻す治療は行われないが, 心房細動が無症候性であっても脳卒中に関連する2)と報告されていることから, 中枢性疾患の運動療法においても, 心電図判読は必須である. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00008722980 |