術後の抜管に要する時間への影響因子─麻酔薬の種類か麻酔科医の熟練度か

セボフルラン(SEV)よりもデスフルラン(DES)の方が早く覚醒するといわれるが,実臨床では吸入麻酔の種類より麻酔科医の熟練度の方が影響を与えている可能性がある.本研究の多変量解析の結果,抜管までの時間はDES使用より(HR 1.17,[95%信頼区間 1.01-1.34],p=0.04),麻酔科医の熟練度の方が強く関連していた(研修医+指導医;参照,卒後6-9年;HR 1.59,[1.24-2.05,p<0.001],卒後10年;HR 1.53,[1.20-1.97,p=0.001]).抜管までの時間はDES使用で若干の短縮が認められたが,麻酔科医の熟練度の影響の方が大きいことが示唆された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 39; no. 1; pp. 1 - 8
Main Authors 小林, 秀嗣, 澁谷, 有香, 庄司, 和広, 西川, 正子, 福島, 東浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.39.1

Cover

More Information
Summary:セボフルラン(SEV)よりもデスフルラン(DES)の方が早く覚醒するといわれるが,実臨床では吸入麻酔の種類より麻酔科医の熟練度の方が影響を与えている可能性がある.本研究の多変量解析の結果,抜管までの時間はDES使用より(HR 1.17,[95%信頼区間 1.01-1.34],p=0.04),麻酔科医の熟練度の方が強く関連していた(研修医+指導医;参照,卒後6-9年;HR 1.59,[1.24-2.05,p<0.001],卒後10年;HR 1.53,[1.20-1.97,p=0.001]).抜管までの時間はDES使用で若干の短縮が認められたが,麻酔科医の熟練度の影響の方が大きいことが示唆された.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.39.1