RAに対する両側同時TKR後の理学療法
今回我々はRAに対する両側同時TKR(Mark II)後の理学療法における経過及び問題点につき,45例の症例を用いて調査・検討した。術後経過として,起立・歩行能力の推移及び膝関節の屈曲・屈曲拘縮・伸展不全の改善過程を調査した。その結果,前者においては退院時の10m歩行時間が平均15.23秒と,入院時の半分以下となり,歩行様式も改善されたが,下肢隣接関節及び上肢機能の障害がその経過とゴール設定に影響を及ぼした。また後者では,退院時において屈曲90°以上は94%。屈曲拘縮0°は68%と高い値を示したのに対し,伸展不全0°となったものは28%に止まった。この伸展不全の改善は術前の屈曲拘縮と関係があり...
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Published in | 理学療法学 Vol. 14; no. 1; pp. 55 - 60 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
10.02.1987
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00003125268 |
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Summary: | 今回我々はRAに対する両側同時TKR(Mark II)後の理学療法における経過及び問題点につき,45例の症例を用いて調査・検討した。術後経過として,起立・歩行能力の推移及び膝関節の屈曲・屈曲拘縮・伸展不全の改善過程を調査した。その結果,前者においては退院時の10m歩行時間が平均15.23秒と,入院時の半分以下となり,歩行様式も改善されたが,下肢隣接関節及び上肢機能の障害がその経過とゴール設定に影響を及ぼした。また後者では,退院時において屈曲90°以上は94%。屈曲拘縮0°は68%と高い値を示したのに対し,伸展不全0°となったものは28%に止まった。この伸展不全の改善は術前の屈曲拘縮と関係があり,中でも術前30゜以上の重度屈曲拘縮を持つ者はその改善が大幅に遅れた。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00003125268 |