運動神経伝導速度の計測による地域在住高齢者の運動神経機能の推定

【目的】運動神経機能の加齢変化を詳細に評価することを目的とした。【方法】高齢者25人と若年者26人の握力や歩行速度などの運動機能を計測した。また,誘発筋電図を記録して,従来の算出方法である誘発筋電図の潜時差からの運動神経伝導速度CV1に加えて,相互相関係数最大値R_τMAXまでの時間からCV2,CV1とCV2の比率DCVを算出した。さらに,ピーク時点差によるCV3も算出した。【結果】高齢者の通常歩行時間などは若年者と差がなかった。CV1,CV2,CV3も若年者と高齢者で差がなかった。CV3はピーク形状によって逸脱した値となることがあった。一方,高齢者ではR_τMAXとDCVの間で負の相関,若年...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 1; pp. 17 - 25
Main Authors 千葉, 有, 国分, 貴徳, 河合, 恒, 星, 文彦, 五味, 敏昭, 西原, 賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.02.2015
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00009814224

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Summary:【目的】運動神経機能の加齢変化を詳細に評価することを目的とした。【方法】高齢者25人と若年者26人の握力や歩行速度などの運動機能を計測した。また,誘発筋電図を記録して,従来の算出方法である誘発筋電図の潜時差からの運動神経伝導速度CV1に加えて,相互相関係数最大値R_τMAXまでの時間からCV2,CV1とCV2の比率DCVを算出した。さらに,ピーク時点差によるCV3も算出した。【結果】高齢者の通常歩行時間などは若年者と差がなかった。CV1,CV2,CV3も若年者と高齢者で差がなかった。CV3はピーク形状によって逸脱した値となることがあった。一方,高齢者ではR_τMAXとDCVの間で負の相関,若年者ではR_τMAXとCV2の間で正の相関を認めた。【結論】運動機能や運動神経伝導速度低下を認めない高齢者でも,本運動神経伝導速度関連指標により運動神経機能変化を評価できる可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009814224