後下小脳動脈瘤に対するステント併用塞栓術の有用性
「はじめに」後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery:PICA)に発生する瘤(以下, PICA動脈瘤)は, 全頭蓋内動脈瘤の0.5-3%を占めるとされる. PICAの起始や走行に多くのバリエーションが存在するように, PICA動脈瘤も多様な形状を示す. その中でもPICAが瘤壁から分岐する症例では, 手術時のPICA温存には細心の注意を要する. 今回われわれは, PICA温存を目的としてステントを併用したPICA動脈瘤塞栓術4例を経験したため報告する. 「対象・方法」2016年12月から2017年6月までに東邦大学医療センター大森病院でステント併用...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 49; no. 4; pp. 278 - 282 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2021
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.49.278 |
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Summary: | 「はじめに」後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery:PICA)に発生する瘤(以下, PICA動脈瘤)は, 全頭蓋内動脈瘤の0.5-3%を占めるとされる. PICAの起始や走行に多くのバリエーションが存在するように, PICA動脈瘤も多様な形状を示す. その中でもPICAが瘤壁から分岐する症例では, 手術時のPICA温存には細心の注意を要する. 今回われわれは, PICA温存を目的としてステントを併用したPICA動脈瘤塞栓術4例を経験したため報告する. 「対象・方法」2016年12月から2017年6月までに東邦大学医療センター大森病院でステント併用塞栓術を施行したPICA動脈瘤4例について検討した. 年齢は45-66歳(平均56.3歳), 全例女性. 部位は右側が1例, 左側が3例. 破裂が2例, 未破裂2例であり, 未破裂のうちの1例は塞栓術後の再治療症例であった. 神経症状は最終follow up時のmodified Rankin Scale(mRS)を用いて評価した. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.49.278 |