びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を合併した耳下腺Warthin腫瘍の1例

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を合併した耳下腺Warthin腫瘍の1例を経験したので若干の文献的考察を踏まえて報告する. 症例は80歳代男性.受診の約2ヵ月前から右耳前部腫脹と疼痛を自覚し,次第に増大傾向を認めた.造影CT検査では,淡く均一に造影される腫瘤性病変を耳下腺に認めた.PET/CT検査では,最大SUV値28.9の異常集積を耳下腺に認めた.一度目の生検では,Warthin腫瘍と診断された.しかし生検部位と異なる耳下腺上方が急速に増大するため,後日再度生検術を施行した.免疫染色では異型細胞はCD20,CD25,CD79aに陽性であり,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse lar...

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 33; no. 2; pp. 65 - 70
Main Authors 永野, 広海, 馬越, 瑞夫, 川畠, 雅樹, 黒野, 祐一, 松元, 隼人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2020
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.33.65

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Summary:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を合併した耳下腺Warthin腫瘍の1例を経験したので若干の文献的考察を踏まえて報告する. 症例は80歳代男性.受診の約2ヵ月前から右耳前部腫脹と疼痛を自覚し,次第に増大傾向を認めた.造影CT検査では,淡く均一に造影される腫瘤性病変を耳下腺に認めた.PET/CT検査では,最大SUV値28.9の異常集積を耳下腺に認めた.一度目の生検では,Warthin腫瘍と診断された.しかし生検部位と異なる耳下腺上方が急速に増大するため,後日再度生検術を施行した.免疫染色では異型細胞はCD20,CD25,CD79aに陽性であり,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma:以下DLBCL)と診断された.以上よりワルチン腫瘍とDLBCLの合併と診断した.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.33.65