CISS画像による傍前床突起部未破裂脳動脈瘤の評価と平均5年間の経過観察からみた治療方針

「はじめに」近年, 日本においてMRI普及に伴い, 脳ドックなどのMRIスクリーニング検査によって未破裂脳動脈瘤と遭遇する機会は増えた. 22歳以上の成人に対する頭部MRI検査にて未破裂脳動脈瘤の有病率は4.3%であり, その中でも傍前床突起部動脈瘤は30.3%と部位別ではいちばん多いとの報告がある. しかし, 同部位の動脈瘤破裂によるくも膜下出血症例は少なく, UCAS JAPANによる報告でも破裂率は0.26%と低い. われわれは, 傍前床突起部動脈瘤の破裂率の低さの原因が周囲構造物の影響にあると考え, 周囲構造物によって動脈瘤の半分以上が覆われた無症候性傍前床突起部動脈瘤の経過を観察して...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 49; no. 5; pp. 367 - 372
Main Authors 角, 拓真, 菊地, 慈, 河本, 俊介, 金, 彪, 河野, 立弥, 深谷, 春介, 奥貫, かなえ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2021
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.49.367

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Summary:「はじめに」近年, 日本においてMRI普及に伴い, 脳ドックなどのMRIスクリーニング検査によって未破裂脳動脈瘤と遭遇する機会は増えた. 22歳以上の成人に対する頭部MRI検査にて未破裂脳動脈瘤の有病率は4.3%であり, その中でも傍前床突起部動脈瘤は30.3%と部位別ではいちばん多いとの報告がある. しかし, 同部位の動脈瘤破裂によるくも膜下出血症例は少なく, UCAS JAPANによる報告でも破裂率は0.26%と低い. われわれは, 傍前床突起部動脈瘤の破裂率の低さの原因が周囲構造物の影響にあると考え, 周囲構造物によって動脈瘤の半分以上が覆われた無症候性傍前床突起部動脈瘤の経過を観察してきた. 今回, その中長期的結果を報告する. 「対象・方法」2003年以降, 脳ドックないしその他のスクリーニング検査として頭部MRIを施行した119例125動脈瘤を対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.367