6分力計を用いた義足足部の静的材料特性評価

本研究は現有する多種多様な義足足部の特性を明らかにし,足部性能の客観評価指標について検討するとともに,足部の開発に関する基礎的検討を行うことを目的とする。対象は従来型足部6種類とエネルギ蓄積(ES;energy storing)型足部16種類の計22種類である。方法は材料試験機INSTRON1185に6分力計(pylon load cell;PLC)を取り付けて足部に対する荷重試験を行い,荷重と変位の履歴(ヒステリシス)から得た足部の各エネルギ(蓄積,放出,吸収エネルギ)とPLCから得られる足関節周りのモーメント(以下;足部モーメントと略す)を比較した。その結果,走行などのパフォーマンスの高い...

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Published in理学療法学 Vol. 29; no. 6; pp. 218 - 224
Main Authors 西原, 賢, 葛山, 智弘, 田口, 孝行, 原, 和彦, 細田, 多穂, 久保田, 章仁, 亀田, 貞夫, 磯崎, 弘司, 井上, 和久, 細田, 昌孝, 野本, 彰, 高久田, 和夫, 丸岡, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2002
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001019632

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Summary:本研究は現有する多種多様な義足足部の特性を明らかにし,足部性能の客観評価指標について検討するとともに,足部の開発に関する基礎的検討を行うことを目的とする。対象は従来型足部6種類とエネルギ蓄積(ES;energy storing)型足部16種類の計22種類である。方法は材料試験機INSTRON1185に6分力計(pylon load cell;PLC)を取り付けて足部に対する荷重試験を行い,荷重と変位の履歴(ヒステリシス)から得た足部の各エネルギ(蓄積,放出,吸収エネルギ)とPLCから得られる足関節周りのモーメント(以下;足部モーメントと略す)を比較した。その結果,走行などのパフォーマンスの高いES型足部(RE-Flex VSP,Flex Foot WalkII)の放出エネルギは中等度であったが,底屈方向の足部モーメントは大きかった。このことは,足部エネルギに比べて足部モーメントのほうが踏切期の足部駆動性能との関係が深いことを示唆していた。足部モーメント計測を可能とするPLCを応用した静的足部材料特性評価は動的な足部性能を予測する上で有用な評価方法であると考えられた。また今後の研究課題として,さらに6分力計を応用した動的な歩行分析を行い,足部の違いが歩行におよぼす影響について明らかにすることが必要になると考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001019632