歩行時のエネルギー消費より分析した脳卒中片麻痺患者に対する運動指導の検討
【目的】脳卒中片麻痺者(以下片麻痺者)に対する運動指導において,歩行量の設定に関しては具体性を欠く場合が多い。本研究では,健常者では1日約300kcalの運動によるエネルギー消費(約10,000歩の歩行に相当)が健康維持に有効であるとされていることを参考とし,歩行中のエネルギー消費の分析結果をもとに片麻痺者の運動指導の検討を行うことを目的とした。【方法】対象は片麻痺者71例とした。12分間歩行中の歩数・歩行距離・エネルギー消費量を測定し,目標エネルギー(300kcal/60kg)に相当する歩数・歩行距離・歩行時間を算出した。【結果】歩行速度別に層別化した結果,歩行速度が低いほど目標エネルギーに...
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Published in | 理学療法学 Vol. 39; no. 1; pp. 30 - 35 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.02.2012
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00007944187 |
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Summary: | 【目的】脳卒中片麻痺者(以下片麻痺者)に対する運動指導において,歩行量の設定に関しては具体性を欠く場合が多い。本研究では,健常者では1日約300kcalの運動によるエネルギー消費(約10,000歩の歩行に相当)が健康維持に有効であるとされていることを参考とし,歩行中のエネルギー消費の分析結果をもとに片麻痺者の運動指導の検討を行うことを目的とした。【方法】対象は片麻痺者71例とした。12分間歩行中の歩数・歩行距離・エネルギー消費量を測定し,目標エネルギー(300kcal/60kg)に相当する歩数・歩行距離・歩行時間を算出した。【結果】歩行速度別に層別化した結果,歩行速度が低いほど目標エネルギーに相当する歩数・歩行距離は少ないことが示された。【結論】片麻痺者では運動麻痺等の影響により歩数や距離あたりのエネルギー消費が増大しているため,運動指導における歩数や歩行距離は歩行速度等の運動機能にしたがって設定するべきであると考えられた。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00007944187 |