直腸肛門部悪性黒色腫に対して腹会陰式直腸切断術を行った一例

直腸肛門部悪性黒色腫は早期に転移を来たすため予後は不良であり,比較的稀な疾患である.今回我々は直腸肛門部悪性黒色腫に対して腹会陰式直腸切断術を施行した一例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.症例は70歳代の男性,下血と便の狭小化を主訴に近医を受診し,肛門縁より2cmの肛門管~下部直腸に黒色調で半周性の2型の腫瘤を認めた.生検でGroupⅤ,悪性黒色腫と診断され,当科紹介受診し,腹会陰式直腸切断術+D2郭清を行った.病理組織検査所見で#251へリンパ節転移を認めたため,術後病期をpMP, pN1, sH0sP0pCY0cM0, fStageⅢa1)と診断した.本人の同意が得られず,術...

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Published in山口医学 Vol. 61; no. 4; pp. 167 - 171
Main Authors 篠田, 崇平, 善甫, 宣哉, 野島, 真治, 岡崎, 充善, 金山, 靖代, 須藤, 隆一郎, 亀井, 敏昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 01.11.2012
Subjects
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ISSN0513-1731
1880-4462
DOI10.2342/ymj.61.167

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Summary:直腸肛門部悪性黒色腫は早期に転移を来たすため予後は不良であり,比較的稀な疾患である.今回我々は直腸肛門部悪性黒色腫に対して腹会陰式直腸切断術を施行した一例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.症例は70歳代の男性,下血と便の狭小化を主訴に近医を受診し,肛門縁より2cmの肛門管~下部直腸に黒色調で半周性の2型の腫瘤を認めた.生検でGroupⅤ,悪性黒色腫と診断され,当科紹介受診し,腹会陰式直腸切断術+D2郭清を行った.病理組織検査所見で#251へリンパ節転移を認めたため,術後病期をpMP, pN1, sH0sP0pCY0cM0, fStageⅢa1)と診断した.本人の同意が得られず,術後補助化学療法は行わない方針とし,外来で経過観察としたが術後半年の造影CT検査で再発を認めたため,DAV療法を予定している.
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.61.167