プロパフェノン錠とフレカイニド錠の単回経口投与による発作性心房細動停止効果の比較研究
抗不整脈薬の単回経口投与による薬理学的除細動は,薬物の長期投与による副作用を回避し,心房細動(AF)の症状やリスクを早期に軽減する目的で行われる.われわれは,日本人のAF患者においてフレカイニドとプロパフェノンの単回経口投与の有効性と安全性を検討した.発作性AF患者29例をフレカイニド100mg(F群,n=15;65±15歳),またはプロパフェノン150mg(P群, n=14;61±12歳)にランダム化して単回経口投与を行い,投与後120分間の除細動成功率を比較検討した.患者背景は両群間で差を認めず,両群とも経時的な心拍数,血圧,QRS幅,QTc間隔の変動を認めなかった.除細動成功例はF群で3...
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Published in | 心電図 Vol. 36; no. 1; pp. 5 - 11 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2016
日本不整脈心電学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.36.5 |
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Summary: | 抗不整脈薬の単回経口投与による薬理学的除細動は,薬物の長期投与による副作用を回避し,心房細動(AF)の症状やリスクを早期に軽減する目的で行われる.われわれは,日本人のAF患者においてフレカイニドとプロパフェノンの単回経口投与の有効性と安全性を検討した.発作性AF患者29例をフレカイニド100mg(F群,n=15;65±15歳),またはプロパフェノン150mg(P群, n=14;61±12歳)にランダム化して単回経口投与を行い,投与後120分間の除細動成功率を比較検討した.患者背景は両群間で差を認めず,両群とも経時的な心拍数,血圧,QRS幅,QTc間隔の変動を認めなかった.除細動成功例はF群で3例(20%),P群で7例(50%)(p値=0.09),洞調律回復までの時間はF群で70±17分,P群で77±34分であった(p値=0.74).F群で(非)通常型心房粗動(心拍数144/分)を1例認めた.F群の有効性が低かったものの両群間で有意差を認めず,日本人のAF患者に対して,本研究の薬物投与量ではほぼ安全に単回経口投与が行えることが示された. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.36.5 |