痛みの高負荷運動による身体疲労の影響と慢性頸部痛者への低負荷運動の疼痛抑制効果(平成25年度研究助成報告書)

本研究では,慢性疼痛に対する運動負荷の影響を検討する目的で2つの実験を行った。実験1では,高負荷運動が体性感覚野の入力動態に及ぼす影響をPain-related SEPを用いて検討した。健常成人を対象に,身体的疲労課題として最大努力下の5分間のエルゴメーター駆動前後のPain-related SEPを測定し,電気刺激に対する主観的痛み強度をVASにより測定した。その結果,P80-N140の振幅値を比較するとPreと比較してPost1は高値を示したが,統計学的有意差は認められなかった。実験2では,頸椎症患者にする低負荷運動処方が痛覚感受性を低下させるか否かについて検証した。頸椎症患者を,運動あり...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 2; pp. 142 - 143
Main Authors 竹田, 圭佑, 佐賀里, 昭, 東, 登志夫, 長谷川, 隆史, 小無田, 彰仁, 田平, 隆行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.04.2015
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00009930373

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Summary:本研究では,慢性疼痛に対する運動負荷の影響を検討する目的で2つの実験を行った。実験1では,高負荷運動が体性感覚野の入力動態に及ぼす影響をPain-related SEPを用いて検討した。健常成人を対象に,身体的疲労課題として最大努力下の5分間のエルゴメーター駆動前後のPain-related SEPを測定し,電気刺激に対する主観的痛み強度をVASにより測定した。その結果,P80-N140の振幅値を比較するとPreと比較してPost1は高値を示したが,統計学的有意差は認められなかった。実験2では,頸椎症患者にする低負荷運動処方が痛覚感受性を低下させるか否かについて検証した。頸椎症患者を,運動あり群と運動群に分け,運動あり群は,低負荷5分間のエルゴメーター駆動前後で,血圧,心拍数,疲労強度と主観的痛み強度を測定した。また,運動群は,5分間の休憩前後で同様の評価項目を測定した。その結果,運動あり群においては課題後に主観的痛み強度の有意な低下が認められた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009930373