筋力,筋電図を用いた正常人膝の遠心性収縮と求心性収縮の比較

正常人を対象に膝の伸筋と屈筋の遠心性および求心性の筋収縮様式と筋活動, 収縮速度の関係について検討した。その結果, 屈筋は速度増加に従い, 遠心性・求心性収縮で筋活動は変化しないのに対し, 伸筋の筋出力は遠心性収縮で速度変化に無関係に高値を示し, 筋活動は逆に減少傾向を示した。また筋出力を筋活動量で除し基準化すると, 収縮速度の増加に伴い筋出力も増加する傾向が認められた。このことより筋損傷予防のための上位中枢神経の抑制が示唆された。特に膝伸筋は遠心性収縮において筋出力に占める弾性要素の割合が高く, エネルギーの蓄積, 分散を行ない, さらに収縮速度に関連深く, 速度が上がるほどその割合が増大す...

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Published in理学療法学 Vol. 19; no. 1; pp. 30 - 35
Main Authors 下畑, 博正, 吉村, 理, 堤, 文生, 中山, 彰一, 大野, 寿子, 井原, 秀俊, 浜田, 哲郎, 高柳, 清美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 10.01.1992
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001306426

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Summary:正常人を対象に膝の伸筋と屈筋の遠心性および求心性の筋収縮様式と筋活動, 収縮速度の関係について検討した。その結果, 屈筋は速度増加に従い, 遠心性・求心性収縮で筋活動は変化しないのに対し, 伸筋の筋出力は遠心性収縮で速度変化に無関係に高値を示し, 筋活動は逆に減少傾向を示した。また筋出力を筋活動量で除し基準化すると, 収縮速度の増加に伴い筋出力も増加する傾向が認められた。このことより筋損傷予防のための上位中枢神経の抑制が示唆された。特に膝伸筋は遠心性収縮において筋出力に占める弾性要素の割合が高く, エネルギーの蓄積, 分散を行ない, さらに収縮速度に関連深く, 速度が上がるほどその割合が増大すると考えた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001306426