リサージュ図形を用いた歩行加速度データの可視化評価の開発と臨床的有用性

【目的】歩行加速度データをリサージュ図形により可視化し,患者への説明用資料として提示できるソフトウェアを開発した。医療的介入前後におけるリサージュ図形の比較からリサージュ図形の表示している内容を明らかにした。【方法】人工股関節全置換術目的で入院した変形性股関節症患者21名に無線型3軸加速度計を第3〜4腰椎付近に直接取り付け自由歩行を計測した。【結果】手術前後におけるリサージュ図形において左右の対称性が改善した者が3名,棘状波形が消失した者が3名,両方の改善を認めた者が5名であった。リサージュ図形評価の定量的比較を行うために,高速フーリエ変換を用いて,パワースペクトラム値を算出した。その結果,改...

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Published in理学療法学 Vol. 36; no. 1; pp. 18 - 23
Main Authors 香川, 真二, 千田, 廉, 木村, 愛子, 前田, 真依子, 眞渕, 敏, 道免, 和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.02.2009
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】歩行加速度データをリサージュ図形により可視化し,患者への説明用資料として提示できるソフトウェアを開発した。医療的介入前後におけるリサージュ図形の比較からリサージュ図形の表示している内容を明らかにした。【方法】人工股関節全置換術目的で入院した変形性股関節症患者21名に無線型3軸加速度計を第3〜4腰椎付近に直接取り付け自由歩行を計測した。【結果】手術前後におけるリサージュ図形において左右の対称性が改善した者が3名,棘状波形が消失した者が3名,両方の改善を認めた者が5名であった。リサージュ図形評価の定量的比較を行うために,高速フーリエ変換を用いて,パワースペクトラム値を算出した。その結果,改善を示した11名は手術前の左右方向のパワースペクトラム値が,手術後には有意に低下していた(p<.05)。【結論】今回の結果より,リサージュ図形による左右の対称性の改善,棘状波形の消失は,手術後に左右方向への加速度の変化が円滑になったことを示している可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00005390784