脊髄損傷者の褥瘡に対する理学療法士の関わり

「はじめに」 脊髄損傷者にとって, 褥瘡が発生すると, 活動性が著しく低下する. また, 社会復帰後においては長期の休養・休職を余儀なくされ, 社会生活に大きな影響を及ぼす. 褥瘡は看護師だけが, ベッド上で予防するものではなく, 医療チームが準備と計画性を持ち, 共通の知識や対応を行う事が必要であり, そのなかで理学療法は, 褥瘡の予防・治癒促進に貢献できる. ここでは, 脊髄損傷者の褥瘡に対する理学療法士の関わりについて紹介したい. 「褥瘡とは, 何なのかを知る」 一定の場所に, 一定以上の圧力やずれ力(せん断力)が, 一定時間以上に加わり続けること(応力)により組織が, 不可逆的な阻血性...

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Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 35; no. 8; pp. 448 - 449
Main Authors 安尾, 仁志, 安田, 孝司, 篠山, 潤一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2008
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00005106658

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Summary:「はじめに」 脊髄損傷者にとって, 褥瘡が発生すると, 活動性が著しく低下する. また, 社会復帰後においては長期の休養・休職を余儀なくされ, 社会生活に大きな影響を及ぼす. 褥瘡は看護師だけが, ベッド上で予防するものではなく, 医療チームが準備と計画性を持ち, 共通の知識や対応を行う事が必要であり, そのなかで理学療法は, 褥瘡の予防・治癒促進に貢献できる. ここでは, 脊髄損傷者の褥瘡に対する理学療法士の関わりについて紹介したい. 「褥瘡とは, 何なのかを知る」 一定の場所に, 一定以上の圧力やずれ力(せん断力)が, 一定時間以上に加わり続けること(応力)により組織が, 不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる. 皮下脂肪組織が少なく, 生理的に骨が突出している部分が好発部位である. 安静臥床, 活動性が向上したADL動作時などに起こる摩擦やずれ, 失禁や湿潤(ムレ)による皮膚環境の変化, 皮膚の感染症や炎症性皮膚疾患や, 低アルブミン・ヘモグロビン血症などによる低栄養状態が, 発症の背景になる.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00005106658