腓腹筋への広帯域多重複合波電気刺激が皮膚血液量に及ぼす影響
本論の目的は低周波との比較から広帯域多重複合波による電気刺激が末梢循環動態に及ぼす影響を明らかにし,末梢循環障害への広帯域多重複合波の利用を検討することである。対象者は28名の健常若年男性で,無作為に広帯域多重複合波群,低周波群,コントロール群に分けた。電気刺激は腓腹筋外側頭で,皮膚血液量の測定は同側のアキレス腱上で刺激前,20分間の電気刺激中と刺激終了後15分間の5分毎で行なった。広帯域多重複合波群はコントロール群との比較で,刺激中の5分〜20分間の血液量に有意な上昇を示し(p<0.05),低周波群は刺激中の5分〜15分間の血液量に有意な上昇を示した(p<0.05)。広帯域多重複...
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Published in | 理学療法学 Vol. 34; no. 5; pp. 239 - 244 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.08.2007
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00004676027 |
Cover
Summary: | 本論の目的は低周波との比較から広帯域多重複合波による電気刺激が末梢循環動態に及ぼす影響を明らかにし,末梢循環障害への広帯域多重複合波の利用を検討することである。対象者は28名の健常若年男性で,無作為に広帯域多重複合波群,低周波群,コントロール群に分けた。電気刺激は腓腹筋外側頭で,皮膚血液量の測定は同側のアキレス腱上で刺激前,20分間の電気刺激中と刺激終了後15分間の5分毎で行なった。広帯域多重複合波群はコントロール群との比較で,刺激中の5分〜20分間の血液量に有意な上昇を示し(p<0.05),低周波群は刺激中の5分〜15分間の血液量に有意な上昇を示した(p<0.05)。広帯域多重複合波は,周波数変動作用で順応による血液量の低下を招かなく,長時間の電気刺激でも血液量の増加を保つことが確認された。このことから,広帯域多重複合波は末梢循環改善を目的とした理学療法に効果的に利用できると考えられた。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00004676027 |