関節運動にともなうラットヒラメ筋メカノレセプターの活動と筋萎縮による活動変化

本研究の目的は,in vivoでの骨格筋メカノレセプターの活動状態を測定して,関節の動きにともなう筋メカノレセプターの反応について検討することにある。また,骨格筋に廃用性萎縮が発生した場合やギプス固定による萎縮が発生した場合に筋メカノレセプターの活動に変化が生じるかについて検証をおこなった。ラットヒラメ筋に対し,他動運動装置でランプ負荷をおこなった時の筋メカノレセプターの活動を導出し,足関節の背屈角度と神経活動の頻度との関係を求めた。その結果,対照ヒラメ筋のメカノレセプターの活動は関節角度に応じて,一次関数的な増加を示すことが明らかになった。廃用性萎縮筋の場合においても対照群と同様に筋メカノレ...

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Published in理学療法学 Vol. 27; no. 5; pp. 139 - 144
Main Authors 藤野, 英己, 武田, 功, 祢屋, 俊昭, 秋山, 純一, 中嶋, 正明, 畠中, 泰彦, 小幡, 太志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 31.07.2000
日本理学療法士協会
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Summary:本研究の目的は,in vivoでの骨格筋メカノレセプターの活動状態を測定して,関節の動きにともなう筋メカノレセプターの反応について検討することにある。また,骨格筋に廃用性萎縮が発生した場合やギプス固定による萎縮が発生した場合に筋メカノレセプターの活動に変化が生じるかについて検証をおこなった。ラットヒラメ筋に対し,他動運動装置でランプ負荷をおこなった時の筋メカノレセプターの活動を導出し,足関節の背屈角度と神経活動の頻度との関係を求めた。その結果,対照ヒラメ筋のメカノレセプターの活動は関節角度に応じて,一次関数的な増加を示すことが明らかになった。廃用性萎縮筋の場合においても対照群と同様に筋メカノレセプターの活動は関節角度に応じて,一次関数的な増加を示したが,増加量は対照群と比較して,大きな値となった。足関節のギプス固定をおこなった場合には,筋メカノレセプターの活動は一次関数的な増加を示すのではなく,指数関数的増加を示した。また,他と比較して,各角度での活動は有意な上昇を示した。これらの結果から,骨格筋に萎縮が発生した場合には筋メカノレセプターの活動状態に変化が認められ,筋メカノレセプターに機能的な変化が生じていることが示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001308580