高齢整形外科患者の理学療法施行中における歩行の距離・時間因子の変化

本研究の目的は,高齢整形外科患者における歩行の変化(回復過程)を安定性の指標である変動係数を用い,歩幅・一歩時間について調査することである。対象は,理学療法を施行した高齢整形外科患者11名とした。測定方法は,自由歩行速度で行い,フットプリント方式にて歩幅を1mm単位で計測した。一歩毎の時間は,フットスイッチを用いサンプリング周波数1KHzで計測した。測定時期は,1回目は,術後もしくは受傷後,歩行が介助の2動作になった時,2回目は,退院直前に実施した。歩幅の変動係数の変化は,1回目に比較し,2回目は7名が減少,4名が増加を示していた。結果的に歩幅の変動係数は、2回目において,全例か10%以下であ...

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Published in理学療法学 Vol. 31; no. 5; pp. 312 - 318
Main Authors 内山, 覚, 荒畑, 和美, 山口, 勇, 亀田, 英俊, 成田, 寿次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.08.2004
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001021134

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Summary:本研究の目的は,高齢整形外科患者における歩行の変化(回復過程)を安定性の指標である変動係数を用い,歩幅・一歩時間について調査することである。対象は,理学療法を施行した高齢整形外科患者11名とした。測定方法は,自由歩行速度で行い,フットプリント方式にて歩幅を1mm単位で計測した。一歩毎の時間は,フットスイッチを用いサンプリング周波数1KHzで計測した。測定時期は,1回目は,術後もしくは受傷後,歩行が介助の2動作になった時,2回目は,退院直前に実施した。歩幅の変動係数の変化は,1回目に比較し,2回目は7名が減少,4名が増加を示していた。結果的に歩幅の変動係数は、2回目において,全例か10%以下であった。一方,一歩時間の変動係数の変化は,相対的に大きな変動を有しており,一定の傾向は認められなかった。今回の結果としては,高齢整形外科患者の歩行における距離因子(歩幅),時間因子(一歩時間)の回復過程が異なることが示され,必ずしも両者が同期するものではないことが示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001021134