子宮内反症から産科DICを発症しながらも救命し得た一症例
我々は産科DIC を発症した子宮内反症の麻酔管理を経験したので報告する。症例は25歳の初産婦。自然分娩直後から子宮内反症による大量出血を来した。徒手整復術は奏功せず,救命目的に救急搬送された。意識下挿管後,麻酔はセボフルランとフェンタニルで維持した。産科DIC スコアは上昇し,収縮機能不全となった子宮からの止血が困難となった。そのため,原因子宮の摘出と輸血療法を行った。術後はICU 管理を行い,術後7日目には独歩退院した。内反症は必ずしも産科DIC と直結しない。しかし収縮機能不全に陥った子宮は産科DIC を惹起しうる。産科DIC には正確な臨床評価,他科との速やかな連携及び集学的治療が重要で...
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Published in | 蘇生 Vol. 30; no. 1; pp. 23 - 26 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本蘇生学会
2011
The Japanese Society of Reanimatology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0288-4348 1884-748X |
DOI | 10.11414/jjreanimatology.30.23 |
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Summary: | 我々は産科DIC を発症した子宮内反症の麻酔管理を経験したので報告する。症例は25歳の初産婦。自然分娩直後から子宮内反症による大量出血を来した。徒手整復術は奏功せず,救命目的に救急搬送された。意識下挿管後,麻酔はセボフルランとフェンタニルで維持した。産科DIC スコアは上昇し,収縮機能不全となった子宮からの止血が困難となった。そのため,原因子宮の摘出と輸血療法を行った。術後はICU 管理を行い,術後7日目には独歩退院した。内反症は必ずしも産科DIC と直結しない。しかし収縮機能不全に陥った子宮は産科DIC を惹起しうる。産科DIC には正確な臨床評価,他科との速やかな連携及び集学的治療が重要である。 |
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ISSN: | 0288-4348 1884-748X |
DOI: | 10.11414/jjreanimatology.30.23 |