降段動作の運動学的パターンの分析

【目的】本研究の目的は,股関節軌道及び中足趾節(MTP)関節を含めた関節運動を分析し,降段動作の運動学的パターンを明らかにすることとした。【方法】対象は健常成人男性12名とし,課題を降段動作として5つの異なったリズム(60,80,100,120,140 steps/min)を設定した。電気角度計とフットスイッチを用いて,MTP関節,足関節及び膝関節の角度と両足底の接離地のタイミングを記録し,1降段周期をMTP部の接地により決定した。さらに,関節角度データを用いて股関節座標を求めた。【結果】股関節軌道及び関節運動は,リズム条件による変動が見られず,立脚期での股関節軌道のパターンは,前方移動を行っ...

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Published in理学療法学 Vol. 36; no. 3; pp. 114 - 119
Main Authors 武田, 涼子, 佐々木, 康輔, 佐藤, 洋一郎, 竹本, 晋也, 藤澤, 宏幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.06.2009
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00005627666

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Summary:【目的】本研究の目的は,股関節軌道及び中足趾節(MTP)関節を含めた関節運動を分析し,降段動作の運動学的パターンを明らかにすることとした。【方法】対象は健常成人男性12名とし,課題を降段動作として5つの異なったリズム(60,80,100,120,140 steps/min)を設定した。電気角度計とフットスイッチを用いて,MTP関節,足関節及び膝関節の角度と両足底の接離地のタイミングを記録し,1降段周期をMTP部の接地により決定した。さらに,関節角度データを用いて股関節座標を求めた。【結果】股関節軌道及び関節運動は,リズム条件による変動が見られず,立脚期での股関節軌道のパターンは,前方移動を行ってから下降する群と前方移動と下降を同時に行う群の2群に分けられた。足関節背屈角とMTP関節伸展角を足し合わせた角(下腿前傾角)と膝関節屈曲角との関係には,股関節軌道に伴ってそれぞれの関節協調性パターンが見られた。【結論】降段動作の運動学的パターンは,降段リズムの影響を受けず,下腿前傾角度が降段動作の運動学的パターンを決定する因子の1つであることが示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00005627666