良性耳下腺腫瘍手術における術後顔面神経麻痺の回復期間 : 腫瘍局在の重要性
「目的」: 耳下腺腫瘍に対する術後合併症の中で, 最も問題となるのは顔面神経麻痺である. 術中に顔面神経を愛護的に扱って確実に温存しても, 一定の割合で術後一時的顔面神経麻痺(post operative transient facial nerve paralysis : POFNP)を来すことが知られている. 麻痺を生じる要因としては, 術式, 手術時間, 術者の技量といった手術側の要因, 性別, 腫瘍の大きさ, 局在などの症例側の要因がある. POFNPが生じたとき, 患者の最大の関心事は「いつ麻痺が治るのか?」であろう. 今回, POFNPを生じた症例を対象に麻痺回復期間とそれに関与す...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 128; no. 3; pp. 253 - 255 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
20.03.2025
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 |
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Summary: | 「目的」: 耳下腺腫瘍に対する術後合併症の中で, 最も問題となるのは顔面神経麻痺である. 術中に顔面神経を愛護的に扱って確実に温存しても, 一定の割合で術後一時的顔面神経麻痺(post operative transient facial nerve paralysis : POFNP)を来すことが知られている. 麻痺を生じる要因としては, 術式, 手術時間, 術者の技量といった手術側の要因, 性別, 腫瘍の大きさ, 局在などの症例側の要因がある. POFNPが生じたとき, 患者の最大の関心事は「いつ麻痺が治るのか?」であろう. 今回, POFNPを生じた症例を対象に麻痺回復期間とそれに関与する要因について検討を行った. 「対象と方法」: 1999年9月から2021年8月までの22年間に, 良性耳下腺腫瘍に対して当科で初回手術を施行し, POFNPを生じた203例を対象とした. 手術は基本的に全身麻酔下に耳下腺葉部分切除術を施行した. |
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ISSN: | 2436-5793 2436-5866 |
DOI: | 10.3950/jibiinkotokeibu.128.3_253 |