自動車衝突事故によるJefferson骨折に対する理学療法

自動車の衝突事故により直達外力が頭蓋骨に,その外力がさらに頸椎の長軸方向に加わり頭蓋骨骨折とJefferson骨折を惹起した稀な症例を経験した。骨折部が大脳や頸髄といった中枢神経を保護する部分ゆえに上・下肢の運動障害が懸念された。問題点として 1. 項・頸部痛,2. 関節可動域制限(頸椎,左右肩関節),3. 歩行障害があげられた。特に項・頸部痛は寝返り,起き上がり動作を著しく妨げた。救急入院時点からこれら問題点に対して,頸椎装具装着,低周波電気療法,持続頸椎牽引法,マッサージ,関節可動域運動(頸椎,肩関節),筋力増強運動,歩行訓練等の理学療法を病状の回復状態に応じてプログラムを設定,施行したと...

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Published in理学療法学 Vol. 21; no. 3; pp. 226 - 230
Main Authors 笹生, 幹夫, 武富, 由雄, 米田, 稔彦, 村木, 敏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 31.05.1994
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001306826

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Summary:自動車の衝突事故により直達外力が頭蓋骨に,その外力がさらに頸椎の長軸方向に加わり頭蓋骨骨折とJefferson骨折を惹起した稀な症例を経験した。骨折部が大脳や頸髄といった中枢神経を保護する部分ゆえに上・下肢の運動障害が懸念された。問題点として 1. 項・頸部痛,2. 関節可動域制限(頸椎,左右肩関節),3. 歩行障害があげられた。特に項・頸部痛は寝返り,起き上がり動作を著しく妨げた。救急入院時点からこれら問題点に対して,頸椎装具装着,低周波電気療法,持続頸椎牽引法,マッサージ,関節可動域運動(頸椎,肩関節),筋力増強運動,歩行訓練等の理学療法を病状の回復状態に応じてプログラムを設定,施行したところ,頸部痛は軽減し,自立歩行が可能となった症例である。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001306826