Motor Impersistence陽性左片麻痺例の健側上下肢における等尺性運動維持能力に関する検討
顔面運動においてMotor Impersistence(MI)が認められる患者では,車椅子駆動のような複合的な動作に関して,健側上下肢いずれかの肢における連続動作や上下肢の同時動作においても障害が認められる。この病態をより要素的に分析する目的で,手足の等尺性運動の維持能力を検討した。MI陽性左片麻痺群(6例)と対照群であるMI陰性右・左片麻痺群(各7例)の3群について,指腹つまみ単一動作,踏みつけ単一動作,指腹つまみと踏みつけの同時動作,の3種類の動作を各20秒間行わせ,圧力とその変動および保持時間を調べ各群を比較検討した。その結果,顔面運動でみられるような動作の中断はみられなかったが,上肢で...
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Published in | 理学療法学 Vol. 17; no. 1; pp. 21 - 25 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
10.01.1990
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00001306057 |
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Summary: | 顔面運動においてMotor Impersistence(MI)が認められる患者では,車椅子駆動のような複合的な動作に関して,健側上下肢いずれかの肢における連続動作や上下肢の同時動作においても障害が認められる。この病態をより要素的に分析する目的で,手足の等尺性運動の維持能力を検討した。MI陽性左片麻痺群(6例)と対照群であるMI陰性右・左片麻痺群(各7例)の3群について,指腹つまみ単一動作,踏みつけ単一動作,指腹つまみと踏みつけの同時動作,の3種類の動作を各20秒間行わせ,圧力とその変動および保持時間を調べ各群を比較検討した。その結果,顔面運動でみられるような動作の中断はみられなかったが,上肢ではMI陽性左片麻痺群の圧力が他の群に比べ,時間の経過とともに有意に減衰していた。このことは,顔面と上肢および下肢の運動制御の水準の段階的な差を反映しており,より意図的な努力を要する動作において,定常的な運動の維持が困難になるものと考えられる。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00001306057 |