YouTube を活用した耳鼻咽喉科・頭頸部外科の医療情報発信

一般の人々が医療情報を得る方法は, インターネットの普及やソーシャルメディアの台頭によって大きく変化し, さらに近年ではインターネット上で動画から情報を得る機会が増加している. 本研究では, 動画共有サイト YouTube に耳鼻咽喉科頭頸部外科の疾患・治療法の解説やリハビリテーション・セルフケアの動画を公開し, 視聴者の特徴や視聴の傾向について調査した. 16カ月間で27本の動画を公開し, 約21万回動画が再生され, 総再生時間は約7,300時間であった. 視聴者は, 男性55%, 女性45%であり, 高齢者を含めた幅広い年齢層に視聴された. 視聴デバイスはスマートフォンを含む携帯電話が68...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 126; no. 2; pp. 128 - 133
Main Authors 堀井, 新, 八木, 千裕, 高橋, 剛史, 森田, 由香, 渡辺, 順
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.02.2023
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
Subjects
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.126.2_128

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Summary:一般の人々が医療情報を得る方法は, インターネットの普及やソーシャルメディアの台頭によって大きく変化し, さらに近年ではインターネット上で動画から情報を得る機会が増加している. 本研究では, 動画共有サイト YouTube に耳鼻咽喉科頭頸部外科の疾患・治療法の解説やリハビリテーション・セルフケアの動画を公開し, 視聴者の特徴や視聴の傾向について調査した. 16カ月間で27本の動画を公開し, 約21万回動画が再生され, 総再生時間は約7,300時間であった. 視聴者は, 男性55%, 女性45%であり, 高齢者を含めた幅広い年齢層に視聴された. 視聴デバイスはスマートフォンを含む携帯電話が68%と最多であった. 1カ月あたりの平均再生回数は, 疾患・治療法の解説179回に比べ, 「慢性めまいのリハビリテーション」や「鼻うがい」などのリハビリテーション・セルフケアは786回と有意に多く, 一般の人々が自分で施行可能な対処法に関心を寄せ, 動画のメリットである「動きや音」に着目していると考えられた. より多くの一般の人々へ動画を用いて医療情報を発信するためには, ① 動きや音を有効に活用できる題材を選択する, ② 一般の人々に馴染みのある用語を使用する, ③ 携帯視聴用にテロップの大きさを工夫するなどが重要と考えられた.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.126.2_128