音声トリガによる誘発筋電図を用いた脊髄興奮準位測定の試み

「I. 緒言」運動にともなう発声は, 競技スポーツや日常の作業活動で観察される. 競技スポーツの分野においては, 「勝利の雄叫び」, 「気合い」および「相手に動作を解り辛くさせる」など, 良い成果を出すために発声が用いられていることが示唆されている. 体育生理学や運動生理学領域の研究においては, 運動に叫び声(Shout)がともなうことによる利得は, 「Shout effect」や「かけ声効果」と呼称される. それらの先行研究から, 運動に叫び声をともなうことで大脳の興奮水準を高め, 脊髄前角細胞の興奮性を増強させることによってパフォーマンスが向上することが示唆されている. ただし, 高齢者や...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 19; no. 3; pp. 123 - 127
Main Authors 上條, 正義, 古川, 勉寛, 半田, 健壽, 阿部, 康次, 藤原, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 25.08.2014
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.19.3_123

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Summary:「I. 緒言」運動にともなう発声は, 競技スポーツや日常の作業活動で観察される. 競技スポーツの分野においては, 「勝利の雄叫び」, 「気合い」および「相手に動作を解り辛くさせる」など, 良い成果を出すために発声が用いられていることが示唆されている. 体育生理学や運動生理学領域の研究においては, 運動に叫び声(Shout)がともなうことによる利得は, 「Shout effect」や「かけ声効果」と呼称される. それらの先行研究から, 運動に叫び声をともなうことで大脳の興奮水準を高め, 脊髄前角細胞の興奮性を増強させることによってパフォーマンスが向上することが示唆されている. ただし, 高齢者や身体に障害を有する方が運動する場合, 随意最大努力で発声(叫び声)することは血圧上昇を引き起こすため適さない. 一方, 日常の作業活動にともなう発声は最大努力以下のものであり, 例として立ち上がり動作時の「よっこらしょ」が挙げられる.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.19.3_123