頚動脈ステント留置術後再狭窄の同側脳梗塞発症リスクと予測因子

要旨: 【目的】頚動脈ステント留置術(CAS)後の再狭窄による脳梗塞発症リスクと,再狭窄発生の独立予測因子につき検討する.【方法】2009 年1 月から2014 年9 月までに当科でCAS を施行し180 日以上経過観察した症例において,NASCET 70%以上の再狭窄の頻度,同側脳梗塞発症について後方視的検討を行った.【結果】250 例が解析対象となった.周術期以降の同側脳梗塞は9 例(3.6%),再狭窄は19 例(7.6%)に認め,再狭窄に合併した同側脳梗塞は3例であった.Cox 比例ハザードモデルでは,再狭窄を有する群に有意に同側脳梗塞が多い結果であった(hazard ratio[HR]...

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Published inJournal of Neuroendovascular Therapy Vol. 9; no. 5; pp. 245 - 253
Main Authors 宮田, 悠, 中原, 一郎, 石井, 暁, 太田, 剛史, 定政, 信猛, 松本, 省二, 甲斐, 康稔, 石橋, 良太, 五味, 正憲, 坂, 真人, 岡田, 卓也, 瀧田, 亘, 西, 秀久, 園田, 和隆, 高下, 純平, 渡邉, 定克, 永田, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2015
日本脳神経血管内治療学会
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Summary:要旨: 【目的】頚動脈ステント留置術(CAS)後の再狭窄による脳梗塞発症リスクと,再狭窄発生の独立予測因子につき検討する.【方法】2009 年1 月から2014 年9 月までに当科でCAS を施行し180 日以上経過観察した症例において,NASCET 70%以上の再狭窄の頻度,同側脳梗塞発症について後方視的検討を行った.【結果】250 例が解析対象となった.周術期以降の同側脳梗塞は9 例(3.6%),再狭窄は19 例(7.6%)に認め,再狭窄に合併した同側脳梗塞は3例であった.Cox 比例ハザードモデルでは,再狭窄を有する群に有意に同側脳梗塞が多い結果であった(hazard ratio[HR],5.98;95% confidence interva[l CI],1.19-24.47;p=0.032).また,多変量解析にてclosed cell stent の使用(HR 5.12,95% CI 1.30-34.34;P=0.017)のみが再狭窄発生に関連する独立予測因子であった.【結論】再狭窄が同側脳梗塞発症に関連し,再狭窄発生にはclosed cell stent の使用が関連していることが示唆された.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.oa.2015-0041