ひきこもり状態にある人の家族に対するCRAFTプログラム(口頭発表,行動療法コロキウム'12 in 信州美ヶ原開催報告,コロキウム報告)

【ケース概要】事前情報: Cl.は50代前半の女性. 夫, 息子, 娘と同居. 対人援助職に30年以上勤務している. 精神的な問題での治療歴はない. Cl.が, 地域若者サポートステーション(以下, サポステ)で筆者が開催している家族教室に参加したことがきっかけで, 本プログラムに参加することとなる. 25歳の息子がひきこもり状態にある. 息子は中学までは順調に学校に通っていたが, 高校の受験に失敗し不適応に陥る. 大学に入学するも, 病気の手術のため半年遅れて4年制大学を卒業. X-3年に大学卒業後, ひきこもり状態になる. 過去に精神的な問題による治療歴はない. 機能分析と介入方針: 息子...

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Bibliographic Details
Published in行動療法研究 Vol. 39; no. 3; pp. 175 - 176
Main Authors 境, 泉洋, 大野, 裕史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 30.09.2013
日本行動療法学会
Japanese Association for Behavioral and Cognitive Therapies( JABCT )
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.39.3_175

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Summary:【ケース概要】事前情報: Cl.は50代前半の女性. 夫, 息子, 娘と同居. 対人援助職に30年以上勤務している. 精神的な問題での治療歴はない. Cl.が, 地域若者サポートステーション(以下, サポステ)で筆者が開催している家族教室に参加したことがきっかけで, 本プログラムに参加することとなる. 25歳の息子がひきこもり状態にある. 息子は中学までは順調に学校に通っていたが, 高校の受験に失敗し不適応に陥る. 大学に入学するも, 病気の手術のため半年遅れて4年制大学を卒業. X-3年に大学卒業後, ひきこもり状態になる. 過去に精神的な問題による治療歴はない. 機能分析と介入方針: 息子は心気症傾向があり, 健康について過度に心配しているが, Cl.は息子の心配に放任的態度で対応している. そのため, 息子は1人だけでは相談に行けないまま, ひきこもり状態を続けている. 息子にとってCl.の存在は強化子になっており, Cl.が息子の心配を傾聴したうえで, 相談機関の利用を勧めれば, 息子が相談機関を利用できるようになるものと考えられた.
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.39.3_175