90分間のVDT(Visual Display Terminals)作業が健常男性の唾液中コルチゾールおよび気分、作業効率に及ぼす影響

「緒言」ここ数十年で, ディスプレイ, キーボード等の端末により構成されるVDT(Visual display terminals)が, 先進国では大変な勢いで普及してきており, 職場でのVDT作業も, パーソナルコンピュータ(以下, PC)の普及に伴って急速に増えている1). 厚生労働省の調査によると, VDT作業に関連した仕事に携わっている者は1998年の時点では, 日本の全労働人口の15.3%に過ぎなかったが, わずか10年後には79.2%に増加した2). また, 2004年から行われているドイツの国勢調査では, 全ての労働者の59%にあたる2100万人が毎日, コンピュータに関連した仕...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 18; no. 3; pp. 105 - 113
Main Authors 渡邉, 映理, クフタ, ケニー, 亀井, 勉, 松田, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 25.08.2013
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Summary:「緒言」ここ数十年で, ディスプレイ, キーボード等の端末により構成されるVDT(Visual display terminals)が, 先進国では大変な勢いで普及してきており, 職場でのVDT作業も, パーソナルコンピュータ(以下, PC)の普及に伴って急速に増えている1). 厚生労働省の調査によると, VDT作業に関連した仕事に携わっている者は1998年の時点では, 日本の全労働人口の15.3%に過ぎなかったが, わずか10年後には79.2%に増加した2). また, 2004年から行われているドイツの国勢調査では, 全ての労働者の59%にあたる2100万人が毎日, コンピュータに関連した仕事に従事していることを示している3). しかし, 便利になる反面, 働く環境が急速にコンピュータ化した結果, VDT使用に関連した, 様々な症状に関する報告が増加している. 事務系職員のうち42%に頭痛, 肩こりや首の痛みがあるという報告4)や, 日本人労働者の37%にドライアイ症候群の症状があるという報告5), また眼精疲労や目の痛みなど, 眼を中心とした症状を多くの労働者が訴えているという報告がある2,6).
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.18.3_105