小児てんかん

「1. はじめに」てんかん発症の年齢別の頻度の内訳では小児 (15歳未満) が発症率・有病率ともに多く, あるいは日本てんかん学会における診療科別学会員数, てんかん専門医数とも小児科医が最多である. ではあるが医療業界内における小児医療分野の立ち位置のならいで「小児てんかんの特殊性」が強調されることは少なくないように思われる. 今般の新分類 (2017年) の提案は, 1989年のてんかん分類の提唱以来の大きな変革である. 一般に医学医療の進歩に伴い疾患概念・分類や名称に変更・修正が加えられるのは当然のことである (たとえば「認知症」・「統合失調症」など)が, ことてんかんについては「分類が...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 18; no. 4; pp. 333 - 338
Main Author 川上, 康彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 25.12.2022
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Summary:「1. はじめに」てんかん発症の年齢別の頻度の内訳では小児 (15歳未満) が発症率・有病率ともに多く, あるいは日本てんかん学会における診療科別学会員数, てんかん専門医数とも小児科医が最多である. ではあるが医療業界内における小児医療分野の立ち位置のならいで「小児てんかんの特殊性」が強調されることは少なくないように思われる. 今般の新分類 (2017年) の提案は, 1989年のてんかん分類の提唱以来の大きな変革である. 一般に医学医療の進歩に伴い疾患概念・分類や名称に変更・修正が加えられるのは当然のことである (たとえば「認知症」・「統合失調症」など)が, ことてんかんについては「分類が頻繁に変わるので理解しにくい」という声を聞く. だが分類改訂は上記のとおりてんかんに限ったことではないので理解しにくいのはてんかんのそもそものイメージが「曖昧模糊としてわかりにくい」からではないだろうかと愚考する.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.18.333