未固定標本による肩関節後方関節包の伸張肢位の検討
【目的】肩関節後方関節包の正確な伸張肢位を検討するために未固定解剖標本8肩を用いて伸び率を計測した。【方法】未固定解剖標本8肩(平均死亡年齢82.4歳)を用い,肩甲上腕関節の上部・中部・下部後方関節包の伸び率を変位計測装置を用いて測定した。関節包の部位ごとの基準長を規定し,その基準長からの伸び率を8肢位に内旋他動運動を加えて測定した。【結果】基準長から有意に伸張が得られた肢位は,上部関節包では肩甲骨面挙上30°位内旋(平均伸び率2.78%),伸展30°位内旋(3.74%),中部関節包では肩甲骨面挙上30°位内旋(4.93%),下部関節包では肩甲骨面挙上30°位内旋(5.93%)と60°位内旋(...
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Published in | 理学療法学 Vol. 35; no. 7; pp. 331 - 338 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.12.2008
日本理学療法士協会 |
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Summary: | 【目的】肩関節後方関節包の正確な伸張肢位を検討するために未固定解剖標本8肩を用いて伸び率を計測した。【方法】未固定解剖標本8肩(平均死亡年齢82.4歳)を用い,肩甲上腕関節の上部・中部・下部後方関節包の伸び率を変位計測装置を用いて測定した。関節包の部位ごとの基準長を規定し,その基準長からの伸び率を8肢位に内旋他動運動を加えて測定した。【結果】基準長から有意に伸張が得られた肢位は,上部関節包では肩甲骨面挙上30°位内旋(平均伸び率2.78%),伸展30°位内旋(3.74%),中部関節包では肩甲骨面挙上30°位内旋(4.93%),下部関節包では肩甲骨面挙上30°位内旋(5.93%)と60°位内旋(2.23%),伸展30°位内旋(2.77%)であった。【考察】本実験結果による肩関節後方関節包の伸張肢位は,従来から提唱されていた伸張肢位(外転90°位内旋,水平内転位内旋)と異なっており,棘上筋あるいは棘下筋の伸張肢位と類似していた。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00005106606 |