遊離肝細胞及び肝灌流(Multiple Indicator Dilution法)より見積った取り込み及びeffluxクリアランスの比較:肝細胞表面に非撹拌水層は, 存在するか?

【目的】瞬時平衡の仮定の成立しない薬物において, in vivoにおける固有クリアランスの構築をより精度よく行うためには細胞膜透過性を求めることが重要となってくる. もし, 遊離肝細胞という簡便な系を用いてin vivoにおける細胞膜透過クリアランスを見積ることが可能であれば肝固有クリアランスのin vitroからin vivoへのscale upをより精度よく行うことができる. そこで本学会において, 脂溶性の異なる種々の薬物の遊離肝細胞を用いて求めた取り込み及びeffluxクリアランス(PSinf, cell及びPSeff, cell)と, 生理状態に近い肝灌流系(Multiple Ind...

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Published in薬物動態 Vol. 4; no. 3; pp. 390 - 391
Main Authors 宮内正二, 杉山雄一, 沢田康文, 伊賀立二, 花野学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬物動態学会 1989
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Summary:【目的】瞬時平衡の仮定の成立しない薬物において, in vivoにおける固有クリアランスの構築をより精度よく行うためには細胞膜透過性を求めることが重要となってくる. もし, 遊離肝細胞という簡便な系を用いてin vivoにおける細胞膜透過クリアランスを見積ることが可能であれば肝固有クリアランスのin vitroからin vivoへのscale upをより精度よく行うことができる. そこで本学会において, 脂溶性の異なる種々の薬物の遊離肝細胞を用いて求めた取り込み及びeffluxクリアランス(PSinf, cell及びPSeff, cell)と, 生理状態に近い肝灌流系(Multiple Indicator Dilution(MID)法)において求めた透過クリアランス(PSinf, MID及びPSeff, MID)と比較することにより組織architectureを保った系での膜透過クリアランスとを遊離肝細胞系から構築できるか否かを検討した. 【実験方法】(1)HID実験:既報の肝灌流法に基づきWistar系雄性(250-300g)ラットに対して手術を施し肝灌流を行った.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.4.390