広島県安芸津町における歯周病予防事業展開のためのニーズアセスメント : 女性住民についての検討
広島県豊田郡安芸津町では,住民の歯周病の有病状況を把握し健康教育プログラムを策定する際に必要な情報を得る目的で,FSPD 34型質問紙を用いて調査を行った.対象は同町に在住する25から54歳までの全女性で,居住地区の母子保健推進員および保健福祉協力員が質問紙を戸別に配付し,後日回収した.質問紙の配付枚数は2,534枚で,1,982枚が回収された(回収率78.2%).このうち記載もれのない1,936枚について分析を行った.その結果,「歯が原因でおいしく食事ができなかったことがある」,「口臭が気になる」などQOLの低下が認められた人の割合は,年齢とともに高くなっていた.また,歯周病に関連すると考え...
Saved in:
Published in | JOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 54; no. 3; pp. 189 - 195 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
2004
日本口腔衛生学会 Japanese Society for Oral Health |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
DOI | 10.5834/jdh.54.3_189 |
Cover
Summary: | 広島県豊田郡安芸津町では,住民の歯周病の有病状況を把握し健康教育プログラムを策定する際に必要な情報を得る目的で,FSPD 34型質問紙を用いて調査を行った.対象は同町に在住する25から54歳までの全女性で,居住地区の母子保健推進員および保健福祉協力員が質問紙を戸別に配付し,後日回収した.質問紙の配付枚数は2,534枚で,1,982枚が回収された(回収率78.2%).このうち記載もれのない1,936枚について分析を行った.その結果,「歯が原因でおいしく食事ができなかったことがある」,「口臭が気になる」などQOLの低下が認められた人の割合は,年齢とともに高くなっていた.また,歯周病に関連すると考えられる自覚症状をもつ人の割合も年齢とともに増加していた.定期健診を受けている人とそうでない人で,保健行動などに違いがあるかどうかについて検討するため,クロス集計を行ったところ,「定期健診を受けている」と答えた人では,歯間ブラシを使用している人,歯磨きを1日3回以上行っている人,5分以上ブラッシングしている人の割合が有意に高かった.また,準備・強化・実現因子を満たしている人の割合が高かったことから,定期健診の受診を促進するためにも,これらの因子を考慮して健康教育プログラムを策定,実施することが必要であると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.54.3_189 |