閉経が精神作業時の心血管系反応に及ぼす影響
「はじめに」今日, 我が国では高学歴化や男女雇用機会均等法, 育児休業法の施行などにより女性の社会進出が促進されている. 平成14年度総務庁統計局「労働力調査」1)によると女性の雇用者数は1992年には1,974万人であったのに対し, 2002年には2,161万人となっており, 10年間で約187万人の増加となっている. また, 年齢階級別女性雇用者数の増加は, 45~49歳層が同期間に約8万人, 50~54歳層では約86万人, 55~64歳層では約76万人となっており, 中高年就労女性人口が増加している傾向が窺われる. 今後, 我が国では急速な高齢化が懸念されていることを鑑みると, 中高年女...
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Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 10; no. 4; pp. 177 - 184 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生理人類学会
2005
Japan Society of Physiological Anthropology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1342-3215 2432-0986 |
DOI | 10.20718/jjpa.10.4_177 |
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Summary: | 「はじめに」今日, 我が国では高学歴化や男女雇用機会均等法, 育児休業法の施行などにより女性の社会進出が促進されている. 平成14年度総務庁統計局「労働力調査」1)によると女性の雇用者数は1992年には1,974万人であったのに対し, 2002年には2,161万人となっており, 10年間で約187万人の増加となっている. また, 年齢階級別女性雇用者数の増加は, 45~49歳層が同期間に約8万人, 50~54歳層では約86万人, 55~64歳層では約76万人となっており, 中高年就労女性人口が増加している傾向が窺われる. 今後, 我が国では急速な高齢化が懸念されていることを鑑みると, 中高年女性層を重要な労働力として積極的に活用していくことが必要である. そのためには雇用に関わる法整備を進めると同時に, 中高年女性の生理, 心理的特性を考慮した職場環境整備が急務である. 特に, 中高年女性は50歳前後に閉経期を迎え, その前後に, 心身の不定愁訴が発現する更年期障害を体験する2). また, この年代の就労女性には育児, 家事, 介護など家庭内の負担が加わることにより, 過重な身体的, 精神的ストレスに曝されることも考えられる. したがって閉経期の就労女性における健康管理には十分な配慮が望まれる3). |
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ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
DOI: | 10.20718/jjpa.10.4_177 |