実践的な臨地実習における看護学生の感情労働の構成概念の検討とその尺度化

目的:看護学生の感情労働の因子構造を明らかにし,尺度の信頼性・妥当性を検証することを目的とした。 方法:感情労働に関する文献検討や先行研究をもとに,38項目からなる看護学生の感情労働測定尺度原案を作成した。看護系大学4年次生386名を対象とする自記式質問紙調査を実施し,188名を分析対象とした(有効回答率48.7%)。 結果:探索的因子分析の結果,【患者への敏感な感情の努力】【チームへの表出抑制】【患者への表層適応】【チームへの自己の表出】の4因子22項目が抽出された。全体のCronbach’s α係数が .83で内的整合性が示された。項目作成時の構成概念との比較および確認的因子分析により構成...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 41; no. 2; pp. 137 - 146
Main Authors 伊東, 美佐江, 片山, 由加里, 濵松, 恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.06.2018
Japan Society of Nursing Research
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Summary:目的:看護学生の感情労働の因子構造を明らかにし,尺度の信頼性・妥当性を検証することを目的とした。 方法:感情労働に関する文献検討や先行研究をもとに,38項目からなる看護学生の感情労働測定尺度原案を作成した。看護系大学4年次生386名を対象とする自記式質問紙調査を実施し,188名を分析対象とした(有効回答率48.7%)。 結果:探索的因子分析の結果,【患者への敏感な感情の努力】【チームへの表出抑制】【患者への表層適応】【チームへの自己の表出】の4因子22項目が抽出された。全体のCronbach’s α係数が .83で内的整合性が示された。項目作成時の構成概念との比較および確認的因子分析により構成概念妥当性を認め,情動知能尺度との相関により基準関連妥当性がおおむね確認された。 結論:看護学生の感情労働は4因子22項目で構成され,その尺度の信頼性妥当性がおおむね確保されたが,さらなる検討が必要である。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20170829019