チアミン、アルギニン、カフェインおよびクエン酸を配合したお茶がヒトの軽運動時エネルギー消費量に及ぼす影響

「緒言」近年, アメリカやヨーロッパ, わが国などの先進国のみならず, アジア, アフリカなどの発展途上国においても, 肥満は増加の一途を辿っており, WHO, 世界保健機関は肥満に関わる糖尿病, 高脂血症, 高血圧, 動脈硬化などの生活習慣病のリスクの増大1-2)に対して世界各国に警告を発している(http://www.who.int). 肥満の原因は人類が進化の過程で獲得してきた節約遺伝子との関連が示唆され, 生理人類学の視点をもった研究が期待されるところである. さて, 肥満予防の方策はいろいろ提唱されているが, 近年, 我々が日常的に摂取する様々な食品中に脂質代謝の改善, 肥満の予防あ...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 10; no. 3; pp. 93 - 99
Main Authors 室山, 幸太郎, 衣畑, 加代子, 山下, 久仁子, 室崎, 伸二, 山本, 佳弘, 渡辺, 裕彦, 曾根, 良昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2005
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Summary:「緒言」近年, アメリカやヨーロッパ, わが国などの先進国のみならず, アジア, アフリカなどの発展途上国においても, 肥満は増加の一途を辿っており, WHO, 世界保健機関は肥満に関わる糖尿病, 高脂血症, 高血圧, 動脈硬化などの生活習慣病のリスクの増大1-2)に対して世界各国に警告を発している(http://www.who.int). 肥満の原因は人類が進化の過程で獲得してきた節約遺伝子との関連が示唆され, 生理人類学の視点をもった研究が期待されるところである. さて, 肥満予防の方策はいろいろ提唱されているが, 近年, 我々が日常的に摂取する様々な食品中に脂質代謝の改善, 肥満の予防あるいは改善作用をもつ成分が見出され種々の学会誌に報告されており3-7), 肥満予防に役立つのではないかと期待されている. そこで我々はその様な作用をもつ食品成分の中で, チアミン(Thiamin), アルギニン(Arginine), カフェイン(Caffeine)およびクエン酸(Citric acid)の生理作用に着目した. チアミンは, 欠乏すると基礎代謝が低下すること8), また, TCA回路(Tricarboxylic acid cycle)においてα-ケトグルタル酸脱水素酵素の補酵素としてエネルギー代謝に関与することなどが知られている9).
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.10.3_93