マットレスの幅が睡眠に及ぼす影響
「はじめに」寝具の幅が狭いと良く眠れないことは容易に想定できる.寝具の幅については肩幅の2.5~3倍必要とする目安がある1)が,これに関する厳密な科学的根拠は存在しない.良く眠るためには寝具の幅は広ければ広い方が良いであろう.しかし,幅の広い寝具はスペース効率が悪い.さらに,医療・介護現場では幅が狭いほうが処置しやすく,介護しやすいという意見も多く,いたずらに幅を広げれば良いという訳ではない.睡眠を妨害せず,処置や介護の妨げとならない幅の目安が望まれる.敷き寝具の幅が睡眠に及ぼす影響に関しては,若年男性3名を対象とし70cmあればほぼ満足しうるとする報告2),若年女性3名を対象とし60cmあれ...
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Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 12; no. 3; pp. 147 - 151 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生理人類学会
2007
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Subjects | |
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Summary: | 「はじめに」寝具の幅が狭いと良く眠れないことは容易に想定できる.寝具の幅については肩幅の2.5~3倍必要とする目安がある1)が,これに関する厳密な科学的根拠は存在しない.良く眠るためには寝具の幅は広ければ広い方が良いであろう.しかし,幅の広い寝具はスペース効率が悪い.さらに,医療・介護現場では幅が狭いほうが処置しやすく,介護しやすいという意見も多く,いたずらに幅を広げれば良いという訳ではない.睡眠を妨害せず,処置や介護の妨げとならない幅の目安が望まれる.敷き寝具の幅が睡眠に及ぼす影響に関しては,若年男性3名を対象とし70cmあればほぼ満足しうるとする報告2),若年女性3名を対象とし60cmあればほぼ満足しうるとする報告3)がある.しかし,これらの研究は睡眠が妨害されにくい若年者を対象としており,サンプル数も少ないなどの問題があった.また古い研究であるため,睡眠段階の判定もRechtschaffen & Kalesの国際基準4)に準じたものではなかった.そこで,敷き寝具の幅が睡眠に及ぼす影響を明らかにするため,幅のみ異なる2種類のマットレスについて60代前半の男女を対象として自宅での夜間実使用における睡眠評価を行なった.今回は,幅が70cmあればほぼ満足しうるとする報告および70cm未満の幅の寝具は一般的でないことを考慮し,マットレスの幅は医療・介護現場で一般的に使われているマットレスの中で最も幅の狭い78cmと最も幅の広い100cmを対象とし,両者の睡眠に及ぼす影響に違いがないか比較検討した. |
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ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
DOI: | 10.20718/jjpa.12.3_147 |