森林浴における唾液中コルチゾール濃度と主観評価の関係

「1. 緒言」 「森林浴」は, 1982年に林野庁によって提唱された造語であり, 現在のストレス社会を反映し, 大きな注目を集めている. 我々は, 森林浴とは, 「人間と森林等の自然環境間の同調(シンクロ状態)による快適性増進効果を目指す行為」と定義しており, その生理的効果に関する生理的データに期待が集まっているが, その蓄積は極めて少ないのが現状である. しかし, ここ数年の測定手法の進歩や森林セラピー基地構想(http://www.forest-therapy.jp/)に後押しされ, いくつかの報告がなされつつある1,2,3,4,5,6,7). 従来の報告においては, 都市部を対象とした...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 14; no. 1; pp. 21 - 24
Main Authors 小山, 泰弘, 高山, 範理, 宮崎, 良文, 香川, 隆英, 朴, 範鎭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2009
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.14.1_21

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Summary:「1. 緒言」 「森林浴」は, 1982年に林野庁によって提唱された造語であり, 現在のストレス社会を反映し, 大きな注目を集めている. 我々は, 森林浴とは, 「人間と森林等の自然環境間の同調(シンクロ状態)による快適性増進効果を目指す行為」と定義しており, その生理的効果に関する生理的データに期待が集まっているが, その蓄積は極めて少ないのが現状である. しかし, ここ数年の測定手法の進歩や森林セラピー基地構想(http://www.forest-therapy.jp/)に後押しされ, いくつかの報告がなされつつある1,2,3,4,5,6,7). 従来の報告においては, 都市部を対象とした場合, 森林浴によってコルチゾール濃度が有意に低下する場合4,6)と差異が認められない場合8,9)が存在する. 一般に, 森林浴のように, 積極的な快適性を対象とした実験においては, 個人差が生じることが知られている10). コルチゾール濃度に関する有意差の有無についても, 個人差が大きく関与していると考えられるが, これまで, 個人差に言及した森林浴研究は見あたらない.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.14.1_21