日中の手掌の皮膚温に影響を及ぼす因子の検討 : 特に起床時寝室温と関連させて

「1. 緒言」近年, 日本人の若年層の女性が多く申告している手足の冷え1~3)を改善するための一方法として, 起床時寝室温が手掌の皮膚温に与える影響について報告した4). 冷え性の自覚を伴う成人女性8名(20~22歳)を被験者として, 冬に寝室温を約22±2.0℃(mean±SD)に加温して起床した時と, そうでない時(9.5±2.0℃)を被験者の低温期で比べると, 加温した時の方が基礎体温も手の皮膚温も有意に高くなることを述べた. その折りに2名の被験者ではあるが, 手掌皮膚温に影響を与えうる起床時寝室温以外の因子の存在や起床時の寝室温の設定温度についての若干の知見を得たので, 資料としてこ...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 13; no. 3; pp. 179 - 183
Main Authors 内藤, 由佳, 三野, たまき, 關, 麻依子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2008
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.13.3_179

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Summary:「1. 緒言」近年, 日本人の若年層の女性が多く申告している手足の冷え1~3)を改善するための一方法として, 起床時寝室温が手掌の皮膚温に与える影響について報告した4). 冷え性の自覚を伴う成人女性8名(20~22歳)を被験者として, 冬に寝室温を約22±2.0℃(mean±SD)に加温して起床した時と, そうでない時(9.5±2.0℃)を被験者の低温期で比べると, 加温した時の方が基礎体温も手の皮膚温も有意に高くなることを述べた. その折りに2名の被験者ではあるが, 手掌皮膚温に影響を与えうる起床時寝室温以外の因子の存在や起床時の寝室温の設定温度についての若干の知見を得たので, 資料としてここに報告する. 「2. 実験方法」2-1被験者 被験者は21歳の, 特に疾患はないが, 冷えの自覚のある成人女子2名であった彼女らの身体的特徴を表1に示す. なお, 本報の被験者A・Bは前報の被験者B・D4)であった. 測定前夜21次以降アルコールやカフェインを含む飲食を断った彼女らに, 前夜から当日朝にかけて7時間の睡眠を取らせた. その折りの寝具・寝衣・実験着・人工起床室の設定条件等の詳細については前報を参照されたい. 実験Iでは被験者Bの同一月経周期内で, 月経期を除いた連続22日間において皮膚温を測定した. また, 実験IIでは被験者Aの高温期あるいは低温期の隣り合った2日間で対を組み, 皮膚温を測定した.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.13.3_179