入院中の子どもに付き添う母親の睡眠の実態とQOLとの関連 - 客観的指標と主観的指標による評価

「抄録」 本研究の目的は, 主観的指標と客観的指標を用いて睡眠を評価し, 子どもの入院に付き添う母親の睡眠の実態を明らかにすることと, QOLの関連について明らかにすることである. A病院小児病棟に1ヶ月以上入院している患児に24時間付き添いをしている母親を対象とした. 主観的指標は睡眠日誌や質問紙を用い, 客観的指標は, 睡眠活動測定器であるアクチグラフ (Micro Mini) を用いて, 1週間の睡眠活動パターンを測定した. 結果, 病院環境では就床時刻が早まり, それに伴い主観的にも客観的にも睡眠時間は増加していたが, 睡眠の質的には低下している可能性が示唆された. また, 付き添いに...

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Published in日本小児看護学会誌 Vol. 24; no. 3; pp. 26 - 32
Main Authors 栗田優, 神谷由子, 高橋紀子, 本間陽子, 佐藤洋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児看護学会 2015
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Summary:「抄録」 本研究の目的は, 主観的指標と客観的指標を用いて睡眠を評価し, 子どもの入院に付き添う母親の睡眠の実態を明らかにすることと, QOLの関連について明らかにすることである. A病院小児病棟に1ヶ月以上入院している患児に24時間付き添いをしている母親を対象とした. 主観的指標は睡眠日誌や質問紙を用い, 客観的指標は, 睡眠活動測定器であるアクチグラフ (Micro Mini) を用いて, 1週間の睡眠活動パターンを測定した. 結果, 病院環境では就床時刻が早まり, それに伴い主観的にも客観的にも睡眠時間は増加していたが, 睡眠の質的には低下している可能性が示唆された. また, 付き添いに伴う睡眠環境の変化は, 母親に対して, 体の痛みなど身体的な影響を与えていた. 入院中の子どもに付き添う母親のQOLは同年代の女性より低く, 入院中の子どもに付き添うことで身体的にも精神的にも影響を受けていることが明らかとなった.
ISSN:1344-9923
DOI:10.20625/jschn.24.3_26