寝返り・寝心地を重視したマットレスによる睡眠改善効果

「1. はじめに」睡眠健康は心身の健康と密接に関係する. 睡眠が障害されることによる健康被害の報告は非常に多く, WHOの国際共同研究では不眠患者の50%が, 12ヶ月以内に睡眠障害以外のなんらかの医療的治療にかかっていることが確認されている1). 日本人の5人に1人, 特に高齢者では3人に1人が不眠を訴えている2). 現在の社会情勢を放置しておけば, 不眠を訴える者の割合は今後ますます増加する可能性が高く, 様々な快眠技術や睡眠改善策の提案が社会的急務になっている. 睡眠健康の維持および改善のためには生活スタイルの改善と良好な睡眠環境の整備が基本である3). 良好な睡眠環境の整備では, 自分...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 13; no. 4; pp. 185 - 190
Main Authors 西村, 泰昭, 木暮, 貴政, 郭, 恰, 白川, 修一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2008
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.13.4_185

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Summary:「1. はじめに」睡眠健康は心身の健康と密接に関係する. 睡眠が障害されることによる健康被害の報告は非常に多く, WHOの国際共同研究では不眠患者の50%が, 12ヶ月以内に睡眠障害以外のなんらかの医療的治療にかかっていることが確認されている1). 日本人の5人に1人, 特に高齢者では3人に1人が不眠を訴えている2). 現在の社会情勢を放置しておけば, 不眠を訴える者の割合は今後ますます増加する可能性が高く, 様々な快眠技術や睡眠改善策の提案が社会的急務になっている. 睡眠健康の維持および改善のためには生活スタイルの改善と良好な睡眠環境の整備が基本である3). 良好な睡眠環境の整備では, 自分にあった寝具を選ぶこと, 静かで暗く適度な室温, 湿度の寝室環境を維持することが推奨されている. 我々は寝具の中でも特に敷き寝具(以下, 寝具またはマットレスと表記)が睡眠に及ぼす影響について研究し, 寝返りしやすさ4-5)の異なるマットレスや入眠姿勢での寝心地6)が異なるマットレスが睡眠に及ぼす影響が異なることを明らかにしており, 適切な寝具の選択は良好な睡眠を得るために重要と考えている.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.13.4_185