1次振動モードを観測量とした射影フィルタによるフレームモデルの逆解析
建築構造物の耐震性能を評価するための構造ヘルスモニタリングは重要である. 筆者らは, フィルタを逆解析アルゴリズムに援用した手法を提案しており, フレームモデルを対象に各層の剛性を状態量, 固有振動数を観測量とした逆解析結果を報告してきた. このときの観測量は, 状態量の数と同一の次数に対応する高次の振動モードまでを用いてきた. 例えば, 実験モデルとして作製したフレームモデルでは, 3層フレーモデルなら3次モードまで, 5層フレームモデルなら5次モードまでの固有振動数を励起させることで, 観測量として採用してきたものの, 現実の構造物を対象とした場合には, 高次モードまでの固有振動数を観測で...
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Published in | Transactions of the Japan Society for Computational Engineering and Science Vol. 2018; p. 20180003 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本計算工学会
2018
JAPAN SOCIETY FOR COMPUTATIONAL ENGINEERING AND SCIENCE |
Subjects | |
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ISSN | 1347-8826 |
DOI | 10.11421/jsces.2018.20180003 |
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Summary: | 建築構造物の耐震性能を評価するための構造ヘルスモニタリングは重要である. 筆者らは, フィルタを逆解析アルゴリズムに援用した手法を提案しており, フレームモデルを対象に各層の剛性を状態量, 固有振動数を観測量とした逆解析結果を報告してきた. このときの観測量は, 状態量の数と同一の次数に対応する高次の振動モードまでを用いてきた. 例えば, 実験モデルとして作製したフレームモデルでは, 3層フレーモデルなら3次モードまで, 5層フレームモデルなら5次モードまでの固有振動数を励起させることで, 観測量として採用してきたものの, 現実の構造物を対象とした場合には, 高次モードまでの固有振動数を観測できる可能性は極めて小さい. しかし, 逆解析の精度を保つためには, 未知数である状態量の数と観測量の数が一致することが望ましい. そこで, 本研究では, 3層フレームモデルおよび5層フレームモデルを対象として, 1次振動モードから得られるモード形の情報と固有振動数を観測量として, すべての層の水平剛性を同定する手法を提案する. なお, 本逆解析で採用するフィルタは, 状態量と観測量の数が等しいとき, 感度行列のみで表現できる射影フィルタである. これにより, 本逆解析手法の有効性および特性に関して, 感度行列に着目した検証を行うことにする. |
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ISSN: | 1347-8826 |
DOI: | 10.11421/jsces.2018.20180003 |