レーベル遺伝性視神経症における視標サイズに基づく中心暗点の評価

レーベル遺伝性視神経症(LHON)の視野では中心暗点をきたすことが典型的である.一方緑内障ではHumphrey自動視野計で視野を計測する際に,視標サイズをⅢからⅤに変更すると,検出される暗点が小さくなることが報告されている.このことから我々は,LHON患者の静的視野検査において視標サイズⅢとⅤを用いて視野を測定し,暗点の出現部位と形状を比較検討した.7例のLHON患者に対して施行した視野検査では緑内障と同様に,視標サイズⅤで暗点はより小さく検出された.また暗点の形状は症例や測定時期により様々であり,各測定点での感度の平均値のばらつきは,視標サイズにより異なる傾向を示した.LHON症例においても...

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Published in神経眼科 Vol. 35; no. 3; pp. 303 - 308
Main Authors 上田, 香織, 盛, 崇太朗, 坂本, 麻里, 芥子, 結香子, 栗本, 拓治, 山田, 裕子, 中村, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.09.2018
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Summary:レーベル遺伝性視神経症(LHON)の視野では中心暗点をきたすことが典型的である.一方緑内障ではHumphrey自動視野計で視野を計測する際に,視標サイズをⅢからⅤに変更すると,検出される暗点が小さくなることが報告されている.このことから我々は,LHON患者の静的視野検査において視標サイズⅢとⅤを用いて視野を測定し,暗点の出現部位と形状を比較検討した.7例のLHON患者に対して施行した視野検査では緑内障と同様に,視標サイズⅤで暗点はより小さく検出された.また暗点の形状は症例や測定時期により様々であり,各測定点での感度の平均値のばらつきは,視標サイズにより異なる傾向を示した.LHON症例においても,視標サイズⅤを用いた視野測定は,緑内障患者と同様,残存視野の検出に,サイズⅢより優れている可能性がある.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.35.303